給料も出たしみんなで焼き肉でも食いに行くかって
ことになって、 いつもはあんまり飲み会に来たがらない
ゆとりも、「焼き肉いいっすね」なんてノリノリ
ところが言ってみたら酷かった
まず焼肉屋につくなり
ゆとりが頼んだのは、ま さ か の 烏 龍 茶
これには社長もタジタジ。
定員さん苦笑い、ワイは冷や汗かきながら「いや、全員分ビールね」
とすかさず訂正の有能ぶり(次はちゃんと注文しろよ)と目配せして
さすがの俺もこれには切れた。が、
「おい、最初はキムチセットだろ」
と優しく諭して事なきを得たわけよ
なんで焼肉屋でこんな思いをしなきゃいけないんだと思いながら
ようやく乾杯したと思ったら
ゆとりが食べ始めたのはま さ か の オ イ キ ム チ
さすがの社長も笑いながら「いやー、白菜のキムチなんて久しぶりだな~」
なんて言うのを聞いてようやくゆとりも理解
恐縮してたけど遅いんだよね
でも、焼き肉だし汚名回復のチャンスは未だあると思って
おいおいここは松屋かともう仕方ないからおれも
店員さんに言って、もうあいつの注文は聞くなと
肉焼くくらいはできるだろうから
注文は俺が言うよとどうせ肉の部位なんて
ゆとりにはわからんだろうし
焼くだけならなと思って、まあちゃんと上ロース上ハラミと
特上タン塩がやってきたわけよ
「焼いてもいいですか?」なんて殊勝なことを言うから
「いいよ」と少し安心して返すと、ゆとりが網の上に肉を載せたなんと
ま さ か の 強 火
の上にだ社長もドン引きして「おいあいつ俺をコロす気なのか?」って俺に耳打ち
まあさすがに「それはないと思いますよたぶん」ってフォローしておいたけど
失った信用は取り戻せないそれでも追加でみんなで
冷麺でも食べようってなった時に、新人が注文したのは
これでさすがの俺もミノ危険を感じ始めたわけよ
最後は俺も社長も疲れたし
解散ってことになったんだけど、別れ際にゆとりが放った一言がすごかった
「ひ と り 5 6 0 0 円 お ね が い し ま す」
まあゆとりにはゆとりなりの論理や道徳があるのかもしれないけど
ちょっとでいいから常識ってものを考えてほしいなと思ったわ
そして二度とゆとりは雇うまいと決めた
社長のメールが悲しかったわ
一部のゆとりが若者の未来を奪っているんやなぁと実感したわ