小学校から大学まで近くにある繁盛店です。
僕がいつも通りカウンターに座って食べていると
小学2年くらいの男の子が一人で入ってきました。
カウンターの僕の横に座ってその子は100円玉を出して
▪『これで食べれるだけラーメンください』
と言いました。
100円やったら無理やでと店員のお姉さんが言うと
▪『でも僕来週に北海道に
引っ越すからどうしても食べたいもん…』
(北海道には天下一品無いんです。)
でも無理やろなぁと僕は見て思ったので
▪『よっしゃ、僕のラーメン出てきたら
お腹痛くなった振りしてこの子にあげよ』
って思ってました。
そしたら店長さんがその子に話し掛けて
▪『ほな100円でラーメン食べて
良いしちょっと働いてくれるか?』
と聞きました。
▪『うん』
と子供はうなずき、
やがてラーメンが出てきました。
子供は喜んで食べてスープも飲みほした後、店長さんに
▪『何したら良いの?』
と聞きました。
▪『これ家まで持って帰ってちゃんと
お父さんお母さんに渡してくれるか?』
と言って渡した物はなんと
持ち帰りのラーメン12食セットでした。
▪『これ仕事なん?でもお金持ってないで』
▪『今まで店にお父さんお母さんと何度も
食べにきてお店で美味しい美味しいって大きい声で
言うてくれてたやろ?
チビはもうめちゃめちゃ良い仕事してたんやで。
これはその仕事の給料やからお金はいらんよ』
『ありがとう、絶対京都帰ってきたら朝昼晩全部来るわ!』
とその子が出て行った後、
店長さんの目はうるんでました。
僕がレジでお金払う時に店長さんに
あの分のお金どうするんですか?と聞いたら
▪『こづかいの半分ですから痛いですねぇ(笑)』
と言われたので僕もおもわず会計は700円でしたが
2000円出して
▪『お釣りは、いりませんから』
のセリフを人生でついに初めて言ってしまいました。
店長さんと目が合ってお互い笑顔になった時、
人間って良いなと思いました.